自動車や原付に乗っていた方がバイクに乗るときに違和感を覚えるのが、ガソリンメーター(燃料計)がないバイクが意外と多いということでしょう。
「ガソリンメーターのないバイクなんてガス欠になるタイミングが分からない!恐い!嫌だ!」と思われるかもしれませんが、そのような心配は不要です。
世の中のライダーはガス欠になることなく、みんな無事に運転できています。
ガソリンメーターのないバイクはどうやって補給のタイミングを知るのか、そもそもなぜガソリンメーターがないのか、元バイク屋の管理人がご説明します。
なぜガソリンメーターがないのか
なぜ多くのバイクにはガソリンメーターがないのかという疑問については、3つの理由が挙げられます。
リザーブタンクで対応できる
最も大きな理由は、バイクにはリザーブタンクがあるためです。
大抵のバイクのタンクにはリザーブタンク(予備タンク)の機能があります。
※一部のスクーターにはない場合もあります
通常時にガス欠になったとしても、予備タンク(リザーブ)に切り替えることでしばらくは運転を続けることができます。
その間にガソリンを補給すれば何も問題は生じません。
注意点として、予備タンクで走行し、ガソリンを補給した後は必ず通常時の位置にフューエルコックを戻しておきましょう。
(そうしないと次回は本当のガス欠になります)
リザーブタンクといっても実際に2つのタンクがあるわけではなく、タンク内の予備の部分が使えるようになる機能のことですので、混同しないようにしてください。
バイク車両価格のコストダウンをするため
ガソリンメーターを付けることで、コストがかかります。
「メーター内に針を付けるだけじゃん」と思われるかもしれませんが、そうではありません。
タンク内の残量を検知する装置を組み込み、その値をメーターに正確に反映させるためのパーツも必要です。
そういった機能を搭載することでコストは上がります。
つまりバイクの車両価格が上がります。
高いバイクはユーザーに売れませんので、少しでも安く販売するために不要な機能はカットしているんです。
走行距離メーターや残量の音で把握できる
3つ目の理由として、走行距離メーター(オドメーター)を利用して、およその残量を把握できることが挙げられます。
分かりやすく言えば、燃費を利用した把握方法です。
自分のバイクの燃費がどれぐらいかを把握しておけば、ガソリンの残量がおよそ計算できます。
例えば、自分のバイクの燃費が20km/Lだったとします。
満タンにしたときに15Lのガソリンが入るのであれば、20×15=300kmぐらいまでは、1回のガソリン満タン補給で走ることができるわけです。
ガソリンを満タンにしたときに走行距離メーターをゼロにリセットしておけば、300kmほど走行するまではガス欠の心配なく、走行することが分かりますね。
300kmの手前でガソリンを補給する習慣にしておけば、ガス欠の不安を感じることもないでしょう。
他にも、バイクにまたがってガソリンの給油口を開けてバイクを軽く左右に振り、チャポチャポという音の重みでおよその残量も把握することができます。
ガソリン補給のタイミングについて
では、ガソリンメーターのないバイクの給油タイミングはどうするのがベストか?
ここまででもご紹介しましたが、大きくは2つです。
- 燃費と走行距離メーターを利用して把握
- 予備タンクを使って把握
「燃費と走行距離メーターを利用する方法」は、最も一般的といえるでしょう。
ガソリンを満タンにした際に走行距離メーターをリセットし、自分のバイクの燃費で空になってしまう距離に到達する前に補給するということです。
私もこれまでガソリンメーターのないバイクに乗っていたときはこの方法を利用していました。
アナログですが確実です。
関連記事:バイクでガソリン入れるとき乗ったままは迷惑?降りるべき?
もうひとつの予備タンクを利用する方法もありますが、個人的にはあまりおすすめしません(苦笑)
なぜなら、通常時のタンクでガス欠になる手前で「プスンプスン・・・」という感じで、アクセルを回してもバイクが加速しないような状態になるからです。
街中でのんびりと走行しているときであれば、そのまま路肩に寄せて予備タンクに切り替えればよいのですが、高速道路やバイパスなどスピードをガンガンと出す道路でそのような状況になるととても恐いです。
スピードが出せなくなると、後続車と急接近してしまう可能性もありますからね。つまり追突されるリスクも・・・
バイクに乗ったままフューエルコックをひねることも慣れれば可能ですが、体勢が不安定になるため、初心者の頃や、高速運転時はおすすめできません。
予備タンクを使う前に補給できるようなサイクルが理想です。