今回はバイク買取業界の本音についてお話します。
ネット上では「買取業者○○にぼったくられた」とか「△△はタダ同然でバイクを引き取りやがった」というクチコミをたくさん見かけますね。
そういうクチコミを見ると、私はこう思います。
「バイク買取の仕組みを知らない人が多いなぁ」と。
無茶な期待をして悔しい思いをしているなら、査定する前にしっかりとバイク査定の仕組みを知ってほしい。
そうすれば、バイクを売るときに嫌な気分になることはないんです。
だから、買取の仕組みをちゃんとご説明します。
売ってる値段と買取の値段は全く別モノ
まずはこの問題。
バイクの「販売価格」と「買取価格」が同じだと錯覚している人が多いことです。
自分のバイクがいくらなのか?
そう思ったときに真っ先に思いつくのが、自分が買ったときの値段だと思います。
「このバイク、50万円だったんだぜ」
こういう記憶が残っているはずです。
ですから、自分のバイクの値段=買ったときの値段だと錯覚しやすいわけです。
でもこれは、完全に間違った考え方です。
お店での販売価格がどうやって決まっているか?
イメージとすればこんな感じです↓↓↓
この例でいえば、50万円で店頭で売られているバイクの価値は、30万円程度なんです。
残りの20万円はバイクの価値ではなく、お店の利益や経費です。
大事なことですので、もう一度いいます。
50万円で売られているバイクなら、そのバイクの買取価値は30万円程度です。
中古バイクはどんどん価値が下がる
バイクを売るときには、買ったときから年月が経っていますよね。
半年、一年、二年・・・と。
ということは、今乗っているバイクは買ったときよりも価値は下がっているわけです。
パーツも劣化しますし、走行距離も増えているでしょう。
何より、今乗っているバイクよりも新しい年式の中古バイクがすでに出回っているんです。
これからバイクを買おうとしている人は、年式の新しいバイクと古いバイク、どっちを選ぶと思いますか?
大半の人は少しでもキレイで新しい年式のバイクを選ぶでしょう。
昔は50万円で売られていたとしても、今の状態なら30万円や35万円ぐらいでお店に並べないと買い手がつかないバイクになっているということです。
ですから「買ったときは高かった」という輝かしい思い出は、正しい判断の妨げになるだけですので捨てましょう。
中古バイクは、買って乗り出したその時点で大きく価値は下がります。
これを意識しておいてください。
買ったときの値段はもう忘れよう
ここまでで、バイクの買取価格というのは、売っている値段に比べてはるかに安いことが分かってもらえたと思います。
買った金額ではなく、バイクの本来の価値を見ておけば、悔しい思いをすることも、裏切られる思いをすることもありません。
最後も分かりやすく例で言いますと、今のバイクを以前に50万円で買ったとしましょう。
この時点でバイクの本当の価値は、50万円ではなく、バイク屋の収益やら経費を引いた30万円がそのバイクの価値です。
ですから、このバイクの買取価格は30万円がスタートラインです。
そして、先ほど言いましたように、中古バイクは走行距離が増えたり、パーツが劣化したり、年式が古くなるにつれて、5万円、10万円ぐらいはどんどん価値がマイナスになります。
よって、昔は30万円の価値だったバイクも、20万円・・・15万円と安くなります。
これは今の相場に合わせていますから当然です。
買ったときと同じ価値で買取してくれるはずはありません。
周りには、そのバイクよりも新しいモデルがどんどん中古市場に出てきているのですから、安くしないと次に売れません。
よって、50万円で買った30万円の価値のバイクは、買取してもらうときには20万円や15万円になります。
実際に基準となっているのは、バイクの価値の30万円です。
30万円の価値が何年か乗って古くなってから売ったときに20万円や15万円の価値になっている。
これをおかしいと思う人は少ないでしょう。
バイク買取業者は、この現実に従って買取しているだけなんです。
これでご理解いただけたと思います。
バイクの買取価格が安いという発想は、買ったときの値段を意識するからおかしなことになります。
決してぼったくりをしているわけではありません。
これらを理解してもらえれば、バイクを売るときも気持ちよく手放せると思います。