「バイクを乗り換えるから、古いバイクは下取してもらおう」
このように思われている方も多いかもしれません。
バイクの「下取」とは、新たなバイクに乗り換えるときに、そのお店で今まで乗ってきたバイクを売却することをいいます。
下取りはバイクを買うのと売るのを同じお店で行うので、手続きが一箇所で済み、ラクチンというメリットがあります。
しかし、重要なデメリットが隠れていることを忘れてはいけません。
それは、バイクを売却するときの値段が安くなるということです。
平均すれば5万円ほど本来ならもらえる額から減る可能性もあります。
元バイク屋の管理人が、そのカラクリをお教えします。
バイク買取とバイク下取の違い
まずは簡単に買取と下取の違いについて、おさらいしておきましょう。
「そんなの知ってるよ」という方は、さらっと読み進めてもらって結構です。
- 買取・・・お店や買取業者にバイクを売ること
- 下取・・・お店や買取業者にバイクを売り、次のバイクをそこで買うこと
つまり、買取はバイクを売るだけ、下取はバイクを売るのと買うのを同じお店(買取業者)で行うことをいいます。
関連記事:バイクを売るときは買った店のほうがいい?逆に失礼?
なぜ「下取」だと損をするのか?
買取も下取も、結果的にはバイクを手放すという意味では同じですが、売却するときの値段が大きく変わってきます。
なぜか?
それには2つの理由があります。
理由1. 買取業者のほうが販売力があり、高値で買われやすいから
バイクを買取する立場(お店や買取業者)で考えた場合、買い取ったバイクは次に売らなければ利益になりません。
売れないバイクはただの在庫となってしまいます。
街の小さなバイク屋の場合、バイクを買取してもそれを売るための手段が限られています。
自社のホームページやネットオークションぐらいでしょう。
一方の買取業者は、独自の販売チャンネルを多数持っている場合が多く、どのようなバイクを仕入れても次のユーザーに売る自信を持っています。
ですから高い値段で買取しても、次に売れればしっかりと利益は出るわけです。
これが買取専門業者の強みです。
「買取しても長期在庫になるのではないか・・・」と心配する街の小さなバイク屋では、強気な値段(高い値段)で買取することができません。
買取業者のほうが高値でバイクを買取してくれるのは、この理由によるものです。
理由2. 下取は実際の査定金額が分かりにくいから
買取でバイクを売るときは「このバイクを○○円で買取させてください」というように、査定スタッフから言われます。
いくらでバイクを買取してもらえるのかが明確です。
一方、下取の場合は、バイクを売るときの値段と買うときの値段を合わせて交渉することが多いです。
「バイクは安くしか下取できないけど、その分、その分値引きで頑張りますよ!」のように、お得なのか損なのかよく分からない交渉をされやすいです。
これ、結果的には「損」なんですよ。実は。
なぜなら「値引きで頑張るよ!というメリットをぶら下げて、下取の値段が安いことは目をつぶってもらおう」っていう交渉なんです。
バイクを売るときの値段も、買うときの値段も、それぞれでしっかりと交渉できるはずなのに、同時に行うことでなんとなく得をしたように思わせているだけなんです。
これが下取が損をする決定的な理由です。
関連記事:10秒で分かる!個人情報なしでバイク買取査定【厳選5サイト】
下取は上手に使うべき
では下取は絶対にしてはいけない?する意味がないか?と言われればそうではありません。
下取は上手に利用することで、お得になることがあります。
どういうことかというと、下取で査定してもらった値段を別の買取業者と競合させるんです。
そうすることでより高い査定金額を引き出すことができます。
バイクを売るときには、複数の買取業者に査定してもらうことが鉄則です。
一社だけでは査定金額が高いのか、安いのか、分からないためです。
査定金額を少しでも高めるためには、価格を競争させることが大切です。
そのために下取時に査定してもらい、さらに他の買取業者でも査定してもらい、最も高い値段を出してくれたお店(買取業者)に売りましょう。